14/03/30

超音波

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二ヶ月前、お客様Iさんは愛車「S-Works Tarmac」のフレームに傷があるのを見つけました。トップチューブの真ん中に長さ2cmほどの一筋の傷があります。ガラスのコップに入ったひびのように割れて見える嫌な傷です。
私もこれを見たときは「う~ん、これはカーボンまでイッちゃってるな…」と思いました。
スペシャライズドには「クラッシュ・プログラム」というものが用意されており、落車など不慮の事故によってフレームを破損してしまった場合、格安(定価の70%ほど)価格で同等品が購入できるサービスが用意されています。しかし元々のお値段が高いS-Works、「3割引きです」って言ってもホイホイと買い替えられるものではありません… Iさんは今回はこのフレームを修理に出すこととしました。
修理を依頼したのは愛知県のカーボン工房「Carbon Dry Japan」です。バイクをバラしてフレームを送ると数日後、意外な答えが返ってきました。「この傷は表面の塗装のみで、カーボンの積層にはクラックは入っておらず修復は不要」との嬉しい知らせです。同社はデジタル超音波探傷機による損傷診断を行なっており、外観からは分からないフレーム内部の状態を把握できるのです。同社の担当者曰く「カーボンの損傷は目視・打音だけでは判断できない場合が多い」とのことです。
カーボン修復を免れたS-Worksターマック、トップチューブに塗装し直して傷を消してもらい、二ヶ月ぶりに復活しました。
このケースと同じようにカーボンフレームに傷が入っていて不安な方は御相談ください。「Carbon Dry Japan」に超音波診断を依頼できます。(診断料・送料・バイクの分解~再組立ての工賃が必要となります)

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