お客様IさんのSurly/Travelers Checkです。独特な2分割式のクロモリフレームです。お買い上げ頂いてからもうすぐ8年目に入ります。今回、2回目のオーバーホールを済ませました。
Iさんのライフスタイルが滲み出たバイクです。前後のキャリア、ハブダイナモランプ、ダブルレバー、トゥークリップなどの装備にオーナー像が垣間見えます。傷だらけのフレームは”SURLY”のブランド名ステッカーがあらかた剥がれ、ヘッドバッヂで｢サーリーだ｣と認められます。
オーバーホール作業で全バラしてフレームと各パーツを磨き、消耗品を全て交換しましたが、車体から滲み出る風格は消せません。長年使い込まれてオーナーの手に馴染んだナイフや腕時計のように、ゆっくりと時を掛けて味が出てくるバイクです。その味はオーナーさんにしか分からないかもしれませんが、それで良いんです。
我々ショップの店員も、自分の売ったバイクが長いあいだ大事に乗られているのを見るのは嬉しいものです。自転車はただ単に｢仕入れて売る｣だけでなく、その間に｢組み立てる｣という工程が入り、更に売った後も｢整備する｣という作業が起きるので、時々感情移入してしまうこともあります。特にクロモリのフレームは何故か気持ちが入りやすいのです。
また2～3年後にオーバーホールに持ち込まれるのをお待ちしております。