16/07/15

スペシャのEバイク

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水曜日の展示会、スペシャライズドがプレゼンにかなりの時間を割いてアピールしていたのが写真の電動アシストMTB「Turbo Levo」でした。これは試作品などではなく欧米で既に販売されているEバイクです。アシスト車なので漕がないと進みませんが、かなり強力なアシストパワーです。欧米では売れ行き好調だそうです。スペシャライズドに限らず他のブランドもスポーツ系Eバイクは欧米で売れ行きを伸ばしています。
「おぉ!日本で売るのか?」と思ったら違いました… このバイク、日本国内での販売予定はありません。電動アシスト上限速度や電動アシスト比率などの規制値が日本の法令と合わないので売ることが出来ないのです。「じゃあ日本の規制値に直して売れば…」と言ったのですが「スペシャライズドは性能を落としてまでバイクを売ることはしない」とのことでした。
なぜ販売しない自転車についてこんなにアピールするのか… これはスペシャライズドの啓蒙活動です。日本では”電動アシスト車”というと「お年寄りの足替わり」「若いママの保育園送り迎え」といった”電動ママチャリ”のイメージですが、欧米では既にスポーツサイクリングのアイテムとして認知されています。モーター・センサー・バッテリなどの技術も日本メーカーを凌駕しており、日本の電動アシスト車だけがガラパゴス化している状況をスペシャライズドは憂いているのです。「こんなに楽しいバイクなのに日本人だけが乗れないよ。業界全体で規制改正に向けて取り組まないと、このままじゃ日本だけが取り残されちゃうよ」というスペシャライズドの問いかけです。
それでは規制緩和されたら本当に日本で売れるのか? というと私はまだ日本では売れないと思います。写真のEバイク「Turbo Levo」は価格9000ドル(約100万円)、この価格のMTBで山で遊ぼうという人は、かなりお金と時間と体力に余裕のある富裕層に限られるでしょう。また、このEバイクで楽しく遊べるフィールドも日本国内では非常に限られます。アシストパワー(最大504wh)と航続距離(エコモードで緩いトレイル走行時に約100km)が凄いので私個人としては山で遊んでみたいですが、車重20kg強はまだちょっと重すぎるでしょう。
欧米と同じ規制値で走れて、価格が30万円くらいまで下がって、車重が15kgくらいまで落ちれば、日本でもたくさん売れるだろうと思います。そのくらいの技術革新が進む頃までに国内規制緩和され日本のメーカーも頑張ってくれれば… と都合の良い期待をするじて吉です…

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