19/07/07

分解困難

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オーバーホールやパーツ交換のとき、通常ならばものの数分で完全分解状態にできる自転車ですが、ときどき分解困難な場合もあるのです。ボルトやパーツが固着してしまったもの、ボルトの頭を舐めてしまったもの、ボルトのネジ山が潰れてしまったものなどです。たった1本のボルトを外すのに数十分、ときには数時間かかる場合もあります。1本のボルト・一つのパーツで作業時間が大幅に伸びてしまうので、このようなボルトを緩めるときは緊張を強いられます。
写真上はスペシャライズドのヴェンジViASのステムのトップキャップです。先週、オーバーホールでバラすとき緊張しました。緩めるとき「うっ! こいつは舐めそうだ!」という感触が指に伝わってきたのです。この小さなネジの頭は2.5mmのHEXレンチで舐めやすいのです。ステムトップキャップのボルトは汗で固着している場合も多いです。これを舐めちゃったらかなり面倒なことになります。ネジ頭に摩擦増強剤を垂らして「勝負!」と回したら…ボルトは緩んでくれました。よかった…
写真下は古いMTBの修理です。最初から「左クランクが外れない。壊しても良いから外して欲しい」という御依頼でした。お客様の言う通り、いろんな工具を使ってクランク引き抜きを試みましたが外れません。クランクとBBが完全に固着していますね。止む無くクランク切断で外します。「壊しても良い」といってもフレームに傷がついてはなりませんから切断作業は緊張しました。正直言ってこのような作業案件はあまり請けたくないし、大幅割増料金を頂きますので、お客様にも我々ショップにも良いことありません。
御自分でパーツを固定する場合は固着防止のグリスをパーツとボルトにしっかり塗布してください。走行後は汗や泥を洗い流しておくと固着を防げます。

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