21/05/24

グリスも適材適所

“グリス”というとシマノの「デュラグリス」に代表されるような栗きんとんみたいな緑のネバネバ(通称イモグリス)を思い浮かべる方が多いと思います。確かにイモグリスは万能で「潤滑に」「固着防止に」「耐摩耗に」といろんな可動部に塗れるグリスですが、これを絶対に塗布してはいけない可動部もあります。リアホイールのフリーボディのラチェットです。

フリーボディとは後輪のカセットスプロケットを固定している円筒形のパーツで、走行中に脚を止めると”シャーッ”とか”カチカチーッ”と鳴ってるあれです。ここにイモグリスのような硬いグリスを塗ってしまったり、グリス切れしていたりすると、走行中に脚を止めたときラチェットがスムーズに開放されず後輪が固定ギアのような状態になってしまいチェーン外れを起こします。オーバーホールの際には必ずメンテナンスする大事な可動部です。
このフリーボディのラチェット、ホイール(ハブ)によって構造が大きく異なるので塗布するグリスもいろいろで、各ホイールメーカーが指定したグリスを塗るのが望ましいです。
シマノのグリスは溶かしバターみたいなトロトロのグリス。

DT-Swissのハブ(RovalやFFWDなど)のスターラチェットには赤いマーガリンみたいなグリス。

Mavicは、現行のI.D.360には生クリームみたいな白いグリスを

従来の「FTS-L」「ITS4」にはグリスでなくハチミツみたいなオイルを塗ります。

カンパ・フルクラムのホイールは指定グリスが廃盤になってしまったのでWako’sの「スーパーマルチグリス」を使ってます。カスタードクリームみたいなグリスです。
その他のメーカーのホイールはシマノの溶かしバターかWako’sのカスタードクリームを使い分けています。
自転車の多段ギアを機能させるための大事な爪車ですから、定期的にメンテナンスしましょう。「自分でメンテナンスをしたいがどんなグリスを使えば良いか分からない」という方は各ホイールメーカーかショップにお問い合わせ下さい。
フリーボディ用グリスを見るとホットケーキに塗りたくなっちゃうじて吉でした…

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