23/01/07

穴があったら塞ぎたい


私のMTBホイール「Roval/Control29」にスポーク折れが起きました。正しくはスポークが折れたのではなくニップルが割れたのです。それも1個や2個でなく次々に割れてゆくので、最終的に28本のスポークのうち殆んどのニップルを交換しました。割れたニップルを見ると腐って折れたような状態です。
原因は金属疲労やスポークテンション過多ではありません。チューブレスタイヤ用のシーラント剤が原因でした。

これが外したニップルです。折れたもの、融けて変形しているものもありますね。
ニップルの頭に白いものが固まっています。これはチューブレスタイヤ用シーラント剤です。シーラントはアンモニアを含んでいるので金属を腐食させてしまうのです。リム内側に流れたシーラントが「エア漏れを止めよう」とスポークホール付近で固まり、アルミ製のニップルを融かしてしまったのです。

ではなぜシーラントがリム内側に流れ出てしまったのでしょう。それはチューブレスタイヤ用リムテープが破れてしまったからです。
スポークホールを塞ぎ、空気の漏れを防いで完全密閉してくれるチューブレステープですが、内圧に耐え切れずにいつかは破れます(私のRovalのチューブレステープは2年半で破れました)。その裂け目からシーラントが流れ出したのです。
更にマズいことに、私はチューブレステープが破れていることに気付かず「タイヤ萎んじゃった。シーラント補充だ!」とシーラント剤をドバドバ注入していました。状態を悪化させちゃったわけです…

チューブレステープの消耗がスポーク折れに繋がるとは気付きませんでした。当店では初めて起きた事象ですが、お客様のホイールでなく私のもので起きたのは不幸中の幸いです。
チューブレスタイヤをお使いの方はタイヤ・シーラント剤・チューブレスバルブだけでなく、チューブレステープも適宜交換するよう意識して下さい。

ここで昨日の日記の話題「Mavic/Cosmic SLR45」に戻ります。あのホイールはスポークホールが開いていません。なのでチューブレスタイヤを使うときもチューブレステープなんか要りません。今回のようなトラブルとは無縁です。このホイールの利点を身をもって知ったじて吉です。
チューブレステープ不要のリムは「Cosmic SLR」シリーズのほか、「Ksyrium SL」「Ksyrium S」シリーズにも採用されています。チューブレスユーザーの方は是非どうぞ!

TOP