24/09/28

破綻しそうなサービス

当店は自転車購入のお客様に「各種点検・調整 無料」「初回オーバーホールの工賃無料」などの無料サービスを行っています。
その無料サービスのひとつに「納車フィッティング時にステムの長さが合わない場合は無料交換」というのもあるのですが、この無料サービスが破綻しかけてます。

この「ステム交換サービス」を利用する方はとても多いです。ちゃんと数えてないけどおそらく納車したバイクの半数以上に交換サービスしていると思います。これは当然のことです。適正サイズのバイクを買ったとしても、座高・腕のリーチ・関節の柔らかさ・前傾を支える筋肉などは人それぞれですから、標準装備のステム長でピッタリ合う方のほうが少ないのです。

無料サービスなので高価いステムには交換できません。といっても怪しげな安物も付けられません。FSA・Deda・Eastonなどの海外ブランドのいちばん安いステムを大量に仕入れて無料交換用としてきました。お客様方も海外ブランドの名前が書いてあるステムのほうが嬉しいようです。
これらの海外ブランド最安ステム、数年前までは3~4千円台だったので「サービスしちゃえ!」と無料交換できたのですが、ここ数年でぐんぐん値上がりし6~8千円台になってしまいました。こうなると無料サービスはちょっと辛い… 現在はDixnaのステム(上写真の左端)を交換用に用意しています。しかしこれもいつまで続くか…

もうひとつの理由が”専用ステムの一般化”です。ロードバイクはケーブル内装化が進み、個々のバイク専用のステムとコラムスペーサーを使う車種が多くなってきました。カッコ良いんだけど汎用ステムは使えません(使えるけどカッコ悪くなっちゃう)。汎用ステムを使えない車種は「ステム無料交換」できません。この先、専用ステムを使う車種がどんどん増えて行けば「ステム交換無料」は意味のないサービスになるでしょう。

「納車時のフィッティングで最適なポジションを出して乗って頂く」というのはその後の自転車生活と顧客満足度に大きく影響するので、できれば「ステム交換無料サービス」は止めたくないんだけど岐路に立たされているじて吉です。とりあえずもう暫くは無料サービスを続けてみたいと思います。

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