日記

日常用としてのタイヤ

数年前からスポーツバイクが通勤・通学・買い物など日常的に使われるようになり、我々自転車店のパーツ在庫状況も大きく変わりました。ママチャリ全盛の頃とは補修パーツが大きく異なるのです。
タイヤもそのうちの一つです。クロスバイク向け・入門ロードバイク向けのタイヤを常に大量に在庫するようになりました。

ロードバイクをスポーツとして嗜むお客様は1本1万円以上の高級タイヤを惜しげもなく買ってくださいます。しかしクロスバイクを日常使いするユーザーに「タイヤ&チューブ交換、前後輪合わせて2万円です」とか言っちゃうとドン引きされてしまいます。なるべく安いタイヤを在庫しなければ。できればチューブ代と交換工賃を含めて5~6千円/1本に収めたい。
しかし無名メーカーのタイヤじゃダメだ。いちおう専門店なんだから皆が知ってる有名ブランドのタイヤでないと。
そして安っぽいタイヤじゃなくてケブラービードの箱入り製品が望ましい。そんな都合の良い700cタイヤがあるか?

ありました! 日本の二大タイヤメーカーが今年発売してきた新製品です。
左がパナレーサーの「ブレイクスルー」、右がIRCの「アーバンマスター」です。

Panaracerの「ブレイクスルー」は今月に出荷が始まったばかりの新製品です。25cと28cの2サイズ。このサイズ展開からロードバイク乗りをターゲットに据えたタイヤだと見て取れます。
セールスポイントは”耐久性”です。「10,000km走れる」と謳っています。カタログ重量は270g。超高耐久で270gはかなり軽い。
当店価格¥3,270/1本です。チューブ代と交換工賃を足しても5千円未満に収まります。

IRCの「アーバンマスター」もこの春に発売された新製品です。サイズが豊富で、700cは25・28・32・35・38cから選べます。当店には28c・32cを常時在庫しております。
こちらもやはり”高耐久性”がウリで「街乗りタイヤの決定版」と謳っています。カタログ重量は460g。「ブレイクスルー」より重いけどまぁ街乗り系低価格タイヤとしてはこんなもんです。
当店価格¥2,980/1本です。「ブレイクスルー」よりも更に安い。

ちなみに、昔から超高耐久ロングツーリングタイヤの代名詞とされている「シュワルベ/マラソン」は重量550g、ワイヤービード、当店価格¥5,020です。
なお、どのタイヤの売り文句にも「耐パンク性能を向上」と書いてありますが、耐パンクについては話半分で聞いておいてください。どんなタイヤでも尖ったものを踏んだらパンクするし、エア圧管理を怠るとパンクします。

今後数年間、「ブレイクスルー」と「アーバンマスター」は街乗り系スポーツバイクのタイヤとして定番となってゆくでしょう。「ブレイクスルー」は32c・35cサイズの追加も期待します。両タイヤとも値上げせずにこの価格を維持してくれることを切望します。