今日のお話は豆知識です。数年前からちょくちょく起き始めたトラブルへの対処方法について書きます。
自転車運搬時のリアホイールのトラブルです。
「輪行で自転車を組み立てようとしたらリアホイールがバラバラになってしまった」「前後輪外してクルマに寝かせて積載していたらリアホイールがバラバラになってしまった」「どうすれば良い?」という電話をお客様方からときどき受けます。
下写真のようにリアハブからスプロケットがごっそり抜けて、小さなパーツがポロポロ落下してしまったそうです。
出先でのトラブルのうえ「ホイールが壊れちゃった」「もう走れない」と動揺してしまうので、電話口からも皆さんの焦りが伝わってきます。
大丈夫です。ホイールは壊れていません。直してまた走れます。
近年のリアホイールはフリーボディが工具不要で簡単に外せる構造のものが増えており(DT-Swissのスターラチェット、MavicのID360など)、勝手に外れてしまうことがあるのです。この対処方法を3つ書きます。
【対策① 落下を防ぐ】
簡単です。上写真のようにちょっと長めの輪ゴムなどで結わえてあげましょう。
【対策② 組み付け手順を知る】
バラけてしまった小さなパーツの組み付け順を把握しておけばその場で直せます。御使用のホイールの分解図をスマホなどに保存しておきましょう。
上写真はDT-Swissのスターラチェットです。
下図はMavicのID360です。
(※2枚のラチェットギアは必ずギザギザ面が向き合うように組み付けて下さい)
【対策③ 日頃から自分でメンテする】
工具不要で簡単に分解できるようになっているのは、日頃から小まめにラチェットギアにグリスアップして頂くことを狙ってのものです。なので、ときどきフリーボディを外してグリスを塗ってあげましょう。自分で分解~清掃~グリス塗布~組み立てすることで構造を知り、出先でバラけても元に戻せるでしょう。
(※塗布するグリスは必ずホイールメーカー指定のものを使って下さい)
【注意点】
〇 小物パーツが1つでも無くなってしまったらもう走れません。パーツ紛失に注意して下さい。
〇 出先でバラけたとき自分で元通りに組み立てても、厳密にはグリス塗布が必要です。お家に帰ったらもう一度分解してグリスアップするか、ショップに持ち込んでグリス塗布~点検を依頼しましょう。
リアホイールのフリーボディはラチェットが正常に動作しないと深刻なトラブルを併発します。適当に組み立てて走らず、確実に組み付けてからサイクリングを楽しんでください。