今回は中古車を販売しました。ScottのフルサスMTB「Spark RC900Comp」2019年モデルです。
滅多に出ない超極上コンディションのUSEDバイクです。6年前に当店で新車販売しましたが、山は2~3回しか走っておらず、ずっと屋内保管していたそうです。消耗品類の交換は殆んど必要なく、各部の動作も良好。しかも前オーナーさんの御厚意で格安で中古販売できました。

実は当店は原則として中古車販売は行っておりません。古物商の許可は取っているし、「中古車売ってますか?」「買い取ってくれますか?」という問い合わせはとても多いのですが、基本的には販売も買い取りもお断わりしています。今回のMTBはごく例外的なケースです。
「なんで中古車を扱わないのか」って? う~ん、スポーツ自転車の中古販売は商売的に難しいと思います。理由は「現状売りできない」からです。
クルマやオートバイの中古市場では”現状販売”という言葉が浸透していますが、自転車の世界で”現状売り中古車”などと掲げても「なにそれ?」と言われてしまうでしょう。ロードバイクやMTBはスポーツするための道具ですから、”中古”といえども「走る・曲がる・止まる」が安全・確実に操作できないとなりません。
しかしスポーツ自転車は約5千km走行で各部消耗品(チェーン・ケーブル類・ブレーキシュー・タイヤなど)が交換時期を迎えます。これらを擦り減った状態のまま売ることは専門店として出来ないし、売ってしまったらお客様とのトラブルに繋がるでしょう。

え?「ちゃんと整備して適正価格で売れば良いじゃないか」「本当に商売にならないのか」って?
例えば「新車価格40万円のロードバイク、5年落ち、走行約5千km」をお客様から16万円で買い取って中古販売するとしましょう。
前述のような消耗品類を一通り交換し、各部を点検~整備~調整~クリーニングすると、整備代に5~6万円かかります。
これに何某かの利益を乗せると中古車価格は26万円くらいになってしまいます。
5年落ちでそこそこヤレてる定価40万円のロードバイクの中古を26万円で買います? 全然お得感ないでしょ? たぶん売れないですよ。年式落ちの新古車を値引きしてもらって買う方が良いですよ。

今回のScott/Sparkは程度極上だったのでちょっとの整備で格安で現状販売できました。だけどこんな掘り出し物は数年に一度くらいしか出ないんです。なので当店は基本的には「中古販売」「買い取り」はナシです。
このMTBのような極上車両がまた入ってきたら皆さんにお知らせしますね。期待しないで待っててください。