22/05/08

ときどき覗いてみましょう

このG.W.は多くのお客様が御来店くださりました。修理の御依頼もたくさん頂いたのですが、気になる事案が続いたのでここに書いておきます。
「ブレーキパッド擦り減り気付かない問題」です。
今やロードバイクでもクロスバイクでも当たり前になった「油圧ディスクブレーキ」ですが、利用者の増加にともない誤った使い方も散見されるようになってきました。最も多いトラブルが、ブレーキパッドの摩耗に気付かずパッドの限界を超えて使い続けてしまうケースです。

写真上のブレーキパッドは…
①新品
②そろそろ交換です
③交換時期をちょっと過ぎてます
④完全にアウト
⑤チョ~やばい状態
の見本です。
油圧ディスクブレーキは「パッドが擦り減ってもレバーの握りしろが変わらず操作できる」のが利点ですが、その反面「ユーザーがパッドの擦り減りに気付き難い」という問題もあります。従ってユーザーの皆さんがときどきブレーキキャリパーの隙間を覗いてパッドの残量を点検しなければなりません。パッドの残量が②くらいになったら交換しましょう。覗いてもよく分からなかったらショップに点検してもらいましょう。
ブレーキの音でもパッド摩耗限界に気付くはずです。③はパッドのリターンスプリングがディスクローターに接触してカリカリと変な音が出始めます。④はパッドが完全に無くなりベースプレートで制動してしまっているのでガリガリ・ギーギーと嫌な音が鳴っていたはずです。⑤はベースプレートさえ擦り切れてブレーキキャリパーのピストンで制動していました。いったいどんな異音が出るのでしょう? 音と制動力の変化にも気を付けてください。

油圧ディスクブレーキのパッド摩耗に気付かないユーザーは、自転車メーカーや我々ショップの想像以上に多いようです。ブレーキは重要な保安部品なので事故に繋がることが懸念されます。
この私の日記を読んでくださる皆さんは愛車のコンディションに気を配る方ばかりなので、おそらくこんなトラブルとは無縁だと思いますが、ご家族や友人の自転車の油圧ディスクブレーキをときどきチェックしてあげてください。

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